足浴(そくよく)はフットケアの基本です。使用する物品は、足浴用洗面器(大きめの洗面器)、石鹸(ボディーソープ)とガーゼ、水温度計、そしてタオルや防水シーツです。水とお湯をそれぞれピッチャーに入れて準備します。保湿剤、爪切りもあるとよいでしょう。看護師自身の感染予防にマスク、手袋もあると安心です。患者さんの皮膚に損傷や病変がある場合は、ビニールエプロンも装着します。石鹸は泡状タイプが使いやすいです。足浴前に、患者さんに足浴の目的、方法、おおまかな時間を説明して了承を得ます。寝ている患者さんの場合は膝上まで寝衣をまくり両膝を立てて、固定枕を挿入して安定させます。ベッドに防水シートを敷き、洗面器を置きます。座位の場合は、患者さんにベッドや椅子に腰かけてもらい、防水シートを敷いた上に洗面器を置きます。
洗面器にお湯をセットしたら、水温計で温度を確認します。お湯の量は足の甲が浸かるくらい。温度は39~40℃を目安にします。患者さんの足に手でお湯をかけ、希望に応じて湯温を調節します。知覚鈍麻や麻痺がある場合は、健側で温度を確認します。ガーゼに泡状の石鹸をつけ、片足ずつ洗います。力を抜いて楽にしてもらうよう声がけします。指の間は汚れやすいのでしっかり洗います。足の裏は強めにこするとくすぐったさを軽減できます。汚れ具合により、必要に応じてお湯を交換します。両足を洗い終わったら、少し高めの温度のかけ湯で洗い流します。洗面器に浸して、しばらく温まってもらった後で洗面器から足を出し、タオルで押し拭きします。